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★ 読書会の記録 ★
2020年


「エンジン・サマー」
ジョン・クロウリー/作
2020年12月18日
 小説の構造が難しかった。物語の本質が詰まった作品。ジョン・クロウリーは頭に物語がブワッと湧き出る。それを小説にするのが大変らしく、なるほど「エンジン・サマー」はそれをしているのか、と納得。

「道草」
夏目漱石/作
2020年11月27日
 出産のシーンは志賀直哉の「和解」を思い出した。妻が女性の役割(当時の)していないところ、夫は認めているけれど認めきれない。もっと仲良くなれると思うけれど、もうちょっと踏み込まない感じ。夏目漱石の生い立ちや夫婦の関係について、志賀直哉と比べた意見など、関係性に絡んでいろんな話しが出た。

「前世の記憶」
藤野可織/作
2020年10月23日
 カーヴァーの「でぶ」を思い出す。最近流行(?)の転生物かと思った。前世の記憶を持っていると、別の価値観を知っているから考え方が変わると思う。今の世の中、未来に対して希望が持てないから自暴自棄になっている人が多いと思う。あかりは希望がないが星子は希望を持っている。「ペスト」でもそうだったが、何かをしよう・したいと思うことは大事。という話になった。

「紙の動物園」
ケン・リュウ/作
2020年9月25日
 折り紙の動物の良さを解っていながらも、違う方に目が行ってしまったり、親を疎ましく思う時期はある。母として、拒まれた時の辛さはたまらなかったと思う。折り紙を見つけ出したのが彼女というのが面白かった。女の子だったから素直にアーティスティックと受け止めたのかも。などの意見が出た。

「高野聖」
泉鏡花/作
2020年8月28日
 旅行ができないご時世だから、旅をした気分になれた。コロナ以前とコロナ後で読み方が変わった。入って行った状況で順応するのが今の文学や状況、昔は入って戻れていた。なかなか解決出来ないのが現実。戻っても安定したものがないのも現状。上人はただ戻っただけでなく成長している。現代でも通用するのはそこだと思う。などの意見が出た。

「ペスト」
アルベール・カミュ/作
2020年7月31日
 今のコロナの状況と似ていて、この時期たくさんの人に読まれた。終息すると忘れてしまうから、忘れないために書いた…とういう内容。文化がないと、対処療法も大事だけれど過ぎると忘れられてしまう。読んで学ぶことはとても大事。現実と対峙しているかどうかで変わってくる。経験は大事。という意見が多く出た。

「コロナ時代の僕ら」
パオロ・ジョルダーノ/作
2020年6月26日
 自粛解除後初の読書会。コロナについて客観的に書かれているので、日本で起きている状況にも冷静に対処できたという意見が多かった。

※) 4〜5月の読書会は中止

「縛られた男」
イゼル・アイヒンガー/作
2020年3月27日
 新型コロナウィルス感染予防のためフォーラムが閉館。芹ヶ谷公園にて屋外の読書会をした。

「窓から逃げた100歳老人」
ヨナス・ヨナソン/作
2020年2月28日
 「長くつしたのピッピ」の老人版のようなお話し。痛快と言えば痛快だけれど、突っ込みどころが満載という意見が多かった。(新型コロナウィルスが猛威を振るっているため、読書会の後半は情報交換の話し合いを持った。)

「なにかが首のまわりに」
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ/作
2020年1月24日
 差別や誇りについての話しになりました。自分が差別されていることに敏感にならないと、逆に平気で差別をしてしまうという話しも。



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