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★ 読書会の記録 ★
2019年


「やさしい女」
ドストエフスキー/作
2019年12月20日
 主人公のあまりのヘタレっぷりが、女は自殺するくらいイヤだった。そう読み取れず男性を擁護する感覚もあり、自身の男性を持ち上げてしまう無意識に気づいた読書会だった。

「水声」
川上弘美/作
2019年11月22日
 何だかあまり恋愛という感じはしなかった。母親に対して好きと嫌いが混在していてもやもやする。などの意見があった。語り手が都だから、本人が言っているから都合の悪いことは書かれていない。書かれていないことで、絶妙に表現している。との話しも。

「ティファニーで朝食を」
トルーマン・カポーティ/作
2019年10月25日
 映画のオードリー・ヘップバーンのイメージが強いけれど、読んでみるとヒロインはかなり違う印象で、読書会前半は映画の話しに盛り上がった。自分の中に失って取り戻せない何かがあって、精神の均衡を保つためにそれを埋めているのがティファニーなのではという話しも出た。

「闖入者」
安部公房/作
2019年9月27日
 理不尽で暴力的な闖入者は、実は彼らは弱者だということ。主人公はそのことに気づいたり、周りの人とコミュニケーションをとれていれば解決方法があったかもしれないという話しも出た。

「物語のかたちをした考え」
(「クネレルのサマーキャンプ」より)
エトガル・ケレット/作
2019年8月24日
 夏休みとあって大学生が参加してくれ、世代間のコミュニケーションの難しさなどについても話しが盛り上がった。大学生ぐらいになると周りの意見に反論もできるが、高校生ぐらいだと絶望してしまうのかもという話しも出た。

「外套」
ゴーゴリ/作
2019年7月26日
 主人公は子どもなのでは、ショーン・タン./作「セミ」もまじめに仕事をしていて虐められる話しだが、「外套」の主人公との違いについての話しなども出た。

「しんせかい」
山下澄人/作
2019年6月28日
 読書会の始まり、小説の話しに入る前にTVドラマ「北の国から」の話しになったが、世代的にも「親が好きで観ていた」「知っているけれどちゃんと観ていない」など、主人公スミトに近かい人がほとんどだった。小説、脚本、演劇の方面からの話しなども出て、「しんせかい」の面白さがさらに深まった。

「あなた」
大城立裕/作
2019年5月24日
 夫の視点で妻を見ているからドキドキした、「あなた」という表現がいい、女性を見る目がいいという意見が多かった。自身のことを書いていても沖縄の歴史なども背景に現れ、90歳で私小説を書く意味があったんだろうね、という意見も。

「恥辱」
J・M・クッツェー/作
2019年4月26日
 2013年に読書会をした時は40代だったが、今回読んでみたら主人公の年齢を超えていることに驚き、また、前回とは違った読み方をした人が多かった。誰しもどちらの立場にもなり得る、という話しも出た。

「すぐり」
アントン・P・チェーホフ/作
2019年3月22日
 弟の行動は極端だけれど、自分にもそういうところはある。現在の世の中は、自分の利益ばかり考えて行動しているように思える。また、実際は、チェーホフが弟の立場だったという話しを聞き驚いた読書会だった。
 <2019年3月23日 まちだ図書館まつりにて>  大学生や年配の男性、図書館に関わりのある方などの参加があり、前日の読書会とは違う雰囲気で進んだ。幸せとは、という話しも面白かった。

「老女と猫たち」(「モラルの話」より)
J・M・クッツェー/作
2019年2月22日
 「猫には顔がない」という表現に引っかかってしまった人が多かった。自分ができること、すべきことなどの「モラル」についての話になった。

「百年泥」
石井遊佳/作
2019年1月18日
 笙野頼子/作「二百回忌」と似た空気感。人物が関係性で描かれているのが面白い。過酷であっても前向きに乗り越えていく。などの感想が出た。



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